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印刷博物館と雨の小石川後楽園!

  • 今田
  • 3 日前
  • 読了時間: 9分

どうもどうも。先週のヒルネット。


先週の月曜は工作クラスの開講日でしたよ。

最近は学習のために参加するメンバーも増えてきて、隔週月曜もだんだんと賑やかになってまいりました。良きこと哉。


今回の作品のテーマは「空き瓶で作るらんたん」。

ちょうど良いくらいの大きさの小さめの空き瓶に、色薄紙を特殊な糊で貼りつけていきます。もちろんデザインは自由。まあ、結構テキトーに貼っていっても、なかなか感じの良いモノが出来上がります。

最後に針金で取手をつけて、中にろうそくを入れれば完成。あ、ろうそくに火を点けるときは、ちゃんとおウチの人と一緒にやってねー。


で、例えば見本はこんな感じ。


てなわけで、月曜。皆さん揃ったところで、早速、作品作りに取り組んでもらいます。

作るものや材料、作り方の説明を聞いたら、早速、空き瓶に色薄紙を貼っつけていく。ペタペタペタ。


特殊な技術が必要なわけじゃない。

いろんな色を組み合わせるだけ。でも、これが結構センスを問われます。

って、別にどんなものが出来たっていいよね。自分だけのオリジナルの作品を作れれば、それでOK!


今回は難しい作業がなかったからか、意外と皆さん、早めに作品が完成。

どれもこれも素敵。オリジナリティあふれる「らんたん」が出来上がりましたぜ!


さてさて、お次は金曜日。お出かけ探検活動!

今回の行き先は、印刷博物館&礫川後楽園。

この印刷博物館、なんかちょくちょく行っていた気がするのだけれど、過去のInstagramなんかの記録を見ると、どうやら3年ぶりぐらいになるみたい。マジかよ。


じゃあ、ちょうど良い。久しぶりに訪れようとなったわけですが、実は行き先が完全に決まったのは、直前の木曜日。

なんで、そんな直前になってしまったかというと、天気予報のせい。

ここ数日、毎日のようにコロコロ変わる天気予報。どころか、アプリによって全然違うこと言いやがる(イマンモはヒルネットの予定を考えるために天気予報アプリを気圧調べるのまで含めると4つも持つまでいるのだ!)。

そんなわけで直前まで様子を見ようということになって木曜日。前日。

直前の予報は午前中は晴れるが午後から雨というもの。じゃあ、先に外で活動して午後から博物館等に出かけるのが良いかという案も出たけれど、やはり外で体を動かした後だと博物館に行くテンションは生まれないんじゃない? という疑問が呈され、じゃあ雨になっても楽しめそうな小石川後楽園にいけばよいということと相なった。

だから傘は必須。だったはずなんだけどね。

金曜日の朝見るとめっちゃ晴れてたので、結局、傘を持って持って来なかったメンバーが幾人か……。


そんな事の顛末含めて、早速、金曜日お出かけを振り返ってまいりましょう

ってなわけで、今回もここで選手交代。

復帰後、着実なペースで記事を挙げてくれている我らが専属記者マロ殿に筆を執ってもらいます。


相変わらず忙しいマロ殿。にもかかわらず、今回は通常の3倍のスピードで記事を仕上げてくれましたぜい。流石は赤い彗星のマロ。いつも仮面で顔をかくしているだけある。大学に行ったら何故か分厚いサングラスをかけてマロトワ大尉とかすぐ身バレする名前と格好をし始めるに違いありません。

なんてガンダムネタを言ってる場合ではない。

早速、皆さん声をかけて合わせて読んでみましょう。

おーい、マロマロー! マロマローン! 出番ですよー!!


〈この日もまた、僕の預かり知らぬ内に活動先が決定していた。

文京区にある印刷博物館には、最後に訪れたのが約三年前と、しばらく間を置いてからの訪問となる。

まあ無論のこと、こうなっているのには訳があるのであって、その訳はといえば、この印刷博物館、なぜか雨の疑いの持たれる日に行くことが多いのである。


この博物館、中学生以下無料、高校生でも300円という安価な価格で入館できる場所としては、非常に面白い展示を行なっている。


古代の印刷(書き写し)時代から現代に至るまで、時代の切れ間なく印刷技術の歴史について滔々と開設される展示は圧巻の一言だ。〉

入り口を入ってすぐの通路の魅力に、早速捕らえられた。
入り口を入ってすぐの通路の魅力に、早速捕らえられた。

〈印刷といえば、グーテンベルクの活版印刷が最初と思いがちだが、その前からも「印刷」の技術は連綿と発展してきている。〉

もはや数百倍の倍率でしか読めないであろう、ミニブックたち。右端のものなど、最早ぼやけすぎて画像では存在を確認できない。
もはや数百倍の倍率でしか読めないであろう、ミニブックたち。右端のものなど、最早ぼやけすぎて画像では存在を確認できない。

〈「印刷」という語を手元の大辞林で引くと、「インクを使い、版面に描き出されている文字・絵画・模様などを、紙その他の被印刷体の表面に刷り出すこと。」とある。


活版印刷技術自体が、そもそもグーテンベルクが発明したものではないため、展示はなかなか古代・中世の域を脱しない。


日本の例でも「百万塔陀羅尼」などのメジャーな印刷物が初めに展示され、興味のある者はそれらを穴が開くほど凝視している。

室内には解体新書であるとか、歩兵操典だったか歩兵読本だったか。。。(とっさに思い出せるものがこれだけということに、驚愕の念を隠し切れない。あと、解体新書の翻訳者が杉田玄白ほか、となっているのが嬉しい。吉村昭を読むと余計に。)ともかくもこういった貴重な書籍がずらりとショーケースの中に並んでいる。〉

年少のメンバーは体験コーナーに夢中でしたけどね。まあ、それも良し。
年少のメンバーは体験コーナーに夢中でしたけどね。まあ、それも良し。

〈古書好きなメンバーにとってはたまらない。常設展だけで何時間でも楽しむことができるよう思えたが、生憎と今回の目的は、すぐ隣で開催されている企画展。題して、「ヴァチカン教皇庁図書館」。


ローマ教皇お膝元のヴァチカンに保管されている希少書を含め、古代から現代まで、様々な名著が一堂に会した展覧会である。

常設展示と企画展示を分けている暖簾をくぐると、企画展示の入り口にはラファエロ「アテナイの学堂」が印刷された垂れ幕が、衆目を圧していた。

個人的に好きな絵画の一つであるため、この時点で期待はうなぎ上りとまでに膨れ上がっていた。〉


〈そして、展示室内。

入って最初に視界に入るのは、アリストテレスの「自然誌および天体論」、十三世紀末ごろの複写本。

なんと美しい文字であることか!


少し前に中世ヨーロッパの古文書についての講義を受けたことがあったが、そのやけに縦に細長い文字と一致しているとまではいわなくとも、その名残のようなものを見ることができていた。

既に羊皮紙に代わって紙が筆記媒体として登場している時代、新たな文書を書くために古文書が削り取られるということもなく、文明文化の発達が窺える。


アリストテレスが元素論を唱え、彼の説がその後千何百年もの間公的に支持され続けてきたヨーロッパに対し、中国発祥の陰陽五行説が月、火、水、金に加えて木を擁するのは、もしや紙や木片が筆記媒体として存在したからではないか、とも思ってしまう。崔杼の業績を記録しようとして死んでいった史官たちの話を、なんとなく思い馳せた。


この時点においてすら、感動のあまり放心してしまうほどであった。

しかし、こんなものは序の口。奥にはさらにすごいものがあった。


ルクレティウスの「事物の本質について」写本(ルクレティウスは唯物論者のため、唯識論について知る過程で幾度か名前を見たことがあった)、加えてデカルトの「方法序説」の、なんと初版!

しかもデカルト本人の書き込みあり!!

しかもしかも、「方法序説」は、日本の明星大学の所蔵本。また国内で見ることができるかもしれない…………………………………………。〉


〈それだけでない。

さらに奥へと進めば進むほど、信じがたいものを目にすることになる。

まさかまさか、プラトンの「著作」、それも十五世紀のもの?

モーツァルトにベートーヴェンの、共に1800年前後の譜面。。。

最近のものであるとはいえ、サルトルの著作まで——「意識と本質」を読んでから、興味を持っていた——が並ぶ、小さいながらに何日でも過ごすことが出来そうな、本オタにはたまらない逸品の数々。


中にはなんと、谷崎潤一郎までが。

——常設展のショーケースにあった初版本が「痴人の愛」であったことが、少々残念ではあった——戦前の本として、であるならば確かに「細雪」はあり得ないとして、それでも「少年」とか「陰翳礼讃」とか、完全に僕の好みであるとはいいながらもそれらの方が良かったのではないだろうか? 字面的にも、来館者が谷崎を耽美的で退廃的な作風、性格の作家だと思い込んでしまったらどうするというのだ!——何一つとして間違っていないということは、ひとまず脇に除けておいて。〉


〈そんなことをやっているうちに、気づけば集合予定時間が迫っていた。

まだ見たい。

でも時間が。

ああいやだ。


引きずられるように展示室を、次いで建物を出てみると——そこには、光があった。


ああいけない、展示室で異端審問官が携行したという禁書目録なんぞを穴のあくほど見つめていたから、こんな表現になってしまうのだ。


慌てて脳裏に未練がましく縋り付く展示品の亡霊を振り払い、気分を変えようと空を見てみると、たしかにうららかな風の陽光がビルの谷間から差し込んでいるのだけれども、その一方で、北面の天にはもくもくとその勢力を誇示する坂東太郎、‘雲の峰に肘する酒呑童子’の姿。


南の空には、ごろごろというから雷の音を伴って、暗雲の寄りて来る様子もうかがえる。

僕たちは、その下で泰然自若と昼食を摂り、散歩をしなければならないのである。

小石川後楽園において。

傘など持っていない者も多いというのに。

——これが、所謂計画性のなさ、蛮勇、その他幾つもの言葉で言い表されてきた、このヒルネットの民族性というものである。〉


〈そして案の定、後楽園に入園後、食事を食べ始めてすぐに、ぽつりぽつりと雨が降り出した。陰雨だ。

もっとも、なんとか雨宿りをできる場所を見つけ、そこから眺める分には悪くない。

ざざ降りというほどではないが、霧雨というほど軽くもない。


暗い雨滴によっていっそう色が際立つため、普段見慣れた樹木の色も、苔むした岩も、すべてが物珍しく真新しい色を伝えてくる。

雨中散歩と足を踏み出した。


季節柄憂鬱になりやすい「水の月」より少しく前だが、同じく心を沈ませがちな単調な雨の下にあって、意外にも陰鬱に感じることがない。

いつも街中を歩いていて見る明るい色、暗い色、そのすべてが極彩色に彩られた人々、家々の中にある身にとっては、この五月雨ほど身に染みて美しいものを見るのは久方ぶりであった。〉

みんな、風邪をひきませんように。あと、傘を持ってきているのに差さないというのは、どうかと思うよ?
みんな、風邪をひきませんように。あと、傘を持ってきているのに差さないというのは、どうかと思うよ?

〈雨で靴が濡れようとも、雨で園内の石段が軒並み封鎖されていようとも、たまにはこういうのも悪くない。

そう思い、珍しく晴れやかな気持ちで活動を終えたのは、やはり二日後に控えている某所での発表を気にしてのことか。


雨にも負けぬ、風にも負けぬと宣言し、傘もささずに雨中行軍としゃれこんだメンバー十数名は、果たして雨に負けず、また風邪にも負けずに済んだのだろうか。


きっと梅雨が明ければ、また猛暑が控えているに違いない。そこで体調を崩さぬよう、おそらく一年で最も落ち着くこの季節、楽しんで過ごしていきたい。〉


と、こんな感じだった先週のヒルネット。

こんな感じでヴァチカン教皇庁図書館に感動してたマロの金曜日。


さて、今週はどんな活動になるかなあ。いよいよ梅雨も本格化してきそうな雰囲気。毎日が雨だとイヤだよねー。

でも、まあ何とか皆んなで楽しく活動したいと思いますー!

それではそれでは!

 
 
 

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