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今田

哲学堂からトキワ荘


どうもどうも。 先週のヒルネット。まずはいつも通り、教室での活動風景から。


ヒルネットは開室は9時半。ですが、登室時間は自由ですので、朝一番に来る子もいれば、自分のペースで参加時間を決めている子もいます。

自分のwork(お絵描きや読書含む)を一人行うメンバーもいれば、スタッフを中心にグループで何かを学んだりディスカッションしたりすることもある。

自由なセッションとある種の決め事が絶妙にハイブリッドされています。その日その週、その年度。大きな枠組みや方向性はあるけれど、その内容は参加する子どもたちによって味付けが変えられていく。


で、先週の火曜日は、来年度から正式参加してくれるかもしれない、ちょっと年少のメンバーがちょっと体験参加してくれていました。

そこでスタッフ・レイセンの発案で、皆で絵本を読むことに。

選ばれた絵本は、なぜか『遠野物語 でんでらの』、『三枚のお札』。。。

って。

小さいお友だちと一緒に読む絵本じゃないよね。

どうしてこうなった。。。相変わらず露悪的なメンバーの皆さん。

『でんでらの』って、年寄り山に捨てる話だぜ。。。

『三枚のお札』も、なぜかよく知られている「知恵者の和尚さんがトンチで山姥をやっつける話」じゃなくて、「和尚が怪力で山姥を大岩ごと池に沈める」という力技のオチ。じゃあ、お札とか最初からいらんかったやんけ。


さて、そんな愉快な絵本をみんなで読んでいる間も、少し離れたテーブルでは、少女たちが可愛らしくお絵描きを。

なんかシュールな絵を描いている。。。。

「イマンモー。これ可愛くなーい?」とかって聞いてくる。お、おう。まあ可愛いんとちゃうけ。でも、その謎のおかっぱとメガネのセンター分けは誰?


さて、そんでもってお昼。12時過ぎからみんなでミーティング。

木曜にどこに「お出かけ」するか。

その日出かける公園はどこに? 教室前に井の頭公園が広がるとはいえ、その中でもどの辺りまで散歩する?


この日は結局、遊具がたくさんある(ちびっ子用)公園に歩いていくことになりました。

公園でお弁当を食べた後は、鬼ごっこしたりドロケイしたり、時に謎の遊びが開発されたり。。。。たまには爽やかに縄跳びに興じたりもいたします。



さてさて。そして木曜日。

先週は、前々回のミーティングからメンバーのマッチーが推していた、豊島区トキワ荘マンガミュージアムに出かけることに。先週あたり出かけようかと思ったら、今週まで展示替えのためにお休みだったのでした。


トキワ荘は漫画好きなら誰でも知ってる漫画家の聖地。

かつて手塚治虫が居住し、彼に憧れた藤子不二雄の両氏や石ノ森章太郎、赤塚不二夫などが、このアパートで青春時代を過ごしました。

藤子不二雄A作の『まんが道』の舞台でもあります。


ということで、木曜日。マッチー念願のトキワ荘へ。

集合は西武線の新井薬師前駅。トキワ荘自体は西武池袋線の椎名町駅の方が近いのですが、今回はトキワ荘に行く前に、「哲学堂公園」という場所にも立ち寄ることになったため、こちらの駅に集合しました。


相変わらず何人かの遅刻者も。

うん? そんな中、普段はあまり遅刻しないメンバーの姿が見えないぞ。。。?


あれ、まマロは?


既にお気づきの方もおられたでしょう。だいたいこの一年ほど、木曜のお出かけに関しての活動記録は、ほとんどマロ君の筆に任せてきたイマンモ。

しかし今回、少なくとも「探検」の冒頭部分は、彼には「記録」を書けない理由があったのでした。


なぜなら、彼は新井薬師前ではなく、なんでだか東武東上線のときわ台駅に一人集合していたから!


どうして、そんなとになったのか。

集合時間の直前、「今日の待ち合わせ場所はどこでしたっけ?」という不安げなメッセージが。。。

「いや、新井薬師前駅やけど、どうした?」

「いま、ときわ台です」

「!?」

「だってトキワ荘でしょ。ときわ台にあるんでしょ」

「いや、そんな安直な。。。」

「……」

「と、とにかく、こっちに向かって電車に乗るんや!」

「迷いました」

「!?」

「今、どこにいるかわかりません」

「!?」

「とにかく歩きます。どこかに向かって歩きます」

「ま、待てい! 早まってはならん!」


などなど。このような謎のやり取り。

仕方なく、いったんマロには池袋から椎名町の方に向かうように言って、他のメンバーは哲学堂公園に向かうことに。


「マロはどないしたんや兄貴!?」

「彼は一人新しい探検へと旅立った」

「あやつ、今どこにおりますんや!?」

「ときわ台」

「ど、どこ?」

「こっから1時間半くらいのとこ」

「ゲーッ! もうそれ詰んでますやん!」

そんな会話を面白おかしくシリアスさのかけらもなく他のメンバーと歩きながら話すこと10数分。なぜかスタッフのパイセンも「ちょ、トイレ行ってきますわ兄貴!」と言ったまま忽然と姿を消して10数分。

こんもり茂った林とともに、比較的大きな公園の姿が我々の前に現れる。


こちらが哲学堂公園。

東洋大学設立者でもある哲学者・井上円了が精神修養の場として創設したのが、この公園。 井上円了といえば、明治期の仏教改良運動が有名。

この公園にも、そんな古今東西の哲学への造詣深かった円了の個性が反映されています。

はい。なんでしょうか。この奇妙な銅像さんたちは。 手前で土下座してるのが、アブラハムだそうです。遠目に見ると、なんか火星人みたいに見える謎の人物はイクナートン。古代エジプトのファラオで宗教改革者。あと、キリストがいたり、孔子かと思いきや老子の像が立ってたり。

うーん、チョイスがよく分からん。ワイが無学なだけでなんか理由があるのかもしれんが。。。

まあ、お子さんたちはそんなこと関係なく記念撮影。確か下の像はソクラテスだったかな。。。?


その他、古くから公園に建つ建築物を見てまわる。

下、一枚目の写真は正門跡かな? しかし、驚くなかれ、門の左右にある格子戸の奥には二つの像が。一つは天狗。そして写真では切った左の格子戸には幽霊の像が。。。

結構、意表をつかれてビビったので写真は撮らず。井上円了は妖怪博士でもあったので、こんな仕掛けも残してるんですな。


二枚目の写真は四聖堂。井上円了がソクラテス、カント、釈迦、孔子祀った聖堂で、この建物を「哲学堂」と呼んだことが公園名の由来となっています。しかし、チョイスがやはり独特。。。。


と、そんなふうに呑気に公園で過ごしていたところ。。。。!


マロ殿、参上!


そこには、歩きに歩き、もはや精魂尽き果てた様子の一人の少年の姿が。

ジーパンはボロボロ。シャツは片袖がちぎれている。その姿は、彼の孤独な旅の凄惨さを物語っていた。


「マロ! 生きとったんかワレ!」

とマロのもとに集まり抱擁を交わすメンバーの皆さん。

疲れ切った表情ながらも、口元に微かな笑みを浮かべるマロ。その目にはうっすら涙が……。

我々スタッフの中にも彼らの感動の再会に涙を堪えられぬものの姿が多数あったという。


とかは、もちろんウソですが、まあマロが相当可哀想な様子だったことは確か。

ということで、ここからは暫く文章のみ。

我々が呑気にイクナートンと記念撮影してる間に、マロ君が一人でどんなに悲惨な体験をしていたかを、彼自身の筆によって明らかにしてもらいましょう。


〈どうしてこうなった。12月というのに未だ日光が燦々と照りつける中、疲労を感じて立ち止まった僕は考えた。そもそもが予定よりも速い電車で到着できたのだから本来であればこんなことはあり得ない。なのに、なんで僕はこんなことをしているのだろう。


 はじまりは随分と前からあった。この前日、目的地はトキワ荘と決定し、イマンモや龍角散との会話の中で集合場所は「ときわ台」と聞いた。イマンモからの追加連絡もなく、安心しきって東武東上線に乗ってときわ台に到着した。これが、間違いの1つだった。


 到着してすぐ、皆がいないことに気がつく。さすがにレイセンなどは着いていてもおかしくない時間だ。イマンモに連絡してみたところ、不可解な事実が判明した。今日の集合場所は、ときわ台ではなく新井薬師前駅だという。そんな馬鹿な。たしかにときわ台だと聞いたし、追加の連絡もなかったのに。実はイマンモはその後連絡してくれていたのだが、受信に失敗してしまっていたようでその連絡が入っていなかったのだ。


 それでも家で調べたところトキワ荘の位置はときわ台と上板橋の間のあたり。ならば新井薬師前とは上板橋の近く。そう頭にひらめいた。


 けれども、今日はときわ台に集合する予定だったため所持金が心許ない。上板橋まで行ってしまえば最悪家に帰ってこられないかも知れない。そう思った僕は、未だ時間があることを鑑みて徒歩で上板橋を目ざすことにした。


 今思えば、これが失敗の第2。そして、この少し後に最大の失敗をするはめになる。


 しばらく歩いて上板橋に着いたものの、その駅前の地図には「新井薬師前」という場所は発見できなかった。だが、その地図の上の方に別の線路が見える。ははあ、これだと思った僕はまっすぐ北へ向かって歩き出した。


 しかし、僕はスマホを持っていない。地図もない。見知らぬ町でそうして歩いていたならば、道に迷うのは当然の帰結だった。既に集合時間は過ぎた。イマンモに道に迷った旨報告し、ついでとばかりに新井薬師前駅の場所を聞くと意外にも高田馬場の近くだという。なんだそれは。まったく見当違いの所を歩いていたというのか。そうわかったときには、時既に遅し。歩いて歩いて、中台公園というところまで来てしまっていた。全く人気のない通りで少々薄気味悪くなった僕は、あえて違う道を通って上板橋駅を目ざすことにした。


 駅に入るなり準急行が来たため、これ幸いとそれに乗って池袋まで戻る。いまならまだ新井薬師前から追いつけるとイマンモはいうのだが、電車賃が怖かった。あと数百円しかない。一応家までは帰ることが出来ると思うのだが、新井薬師前まで行くとなると電車賃が足りなくなる可能性が非常に高い。ならば、いったん椎名町まで行き、トキワ荘に先回りして待っていれば良いだろう。そう思って西武線乗り場へ行く。もうそろそろ彷徨いだしてから1時間か。もうそろそろ合流しなければ、一日中彷徨い歩いて終わってしまう。


 そう懸念しながら椎名町に着き、真っ先に地図を確認する。しっかと頭に刻んだのだが、残念なことにまた道を間違える。右だと思えば左にある。南だと思えば北にある。あまりの方向音痴に自分のことながら開いた口がふさがらなかった。


 そうしてなんとかトキワ荘へ着くと、イマンモと連絡を取り合う。だが、どうやら皆はまだ「哲学堂公園」なるところにいて、30分ばかしは動きそうにないという。ここで30分待つのも退屈だ。それなら向かってみようとすっかり棒になった足を動かすも、地図もスマホもない僕には哲学堂の場所がわからない。なんとかイマンモの情報を頼りに新青梅街道に出て、そこから先は池袋ー哲学堂間のバス停を頼りに道を進んでいく。ついに公園に辿り着いたのは12時とすこし。あと少し来るのが遅かったなら、イマンモ達は僕を置いて行ってしまったという。


 ともあれようやっと合流することに成功したときには皆すっかり公園を満喫したあとだった。僕がそこに合流したときには寒さと疲れとで口の端が痙攣したまま固まってしまっていたのだが。彼らが公園を満喫した画像がこちら。勿論、僕が彷徨っている間の写真など1枚だってあるはずがない。〉


〈ようやっと合流したのだが、弁当を食べ終わるとすぐに先ほど歩いてきた道を逆走してトキワ荘へと戻ることになった。なにか非常に損をしたような気持ちに―実際たっぷりと損をしている―なっている僕を横にniconicoやシャコシャコ、龍角散が道路にて走る、逃げる、追いかけるetc.彼らはどうしてあんなに走ることが出来るのか。2時間近くずっと歩き詰めだった僕が彼らについて行くことはとても難しい。


 その後を追いながら、ヨッシーやイマンモと冬の旅行企画についての相談をする。夏に行けなかったならば冬に行けばいいじゃないかとの精神で設立されたこの企画団だが、メンバーはemmanmo、僕、ヨッシー、Χαοσ、そして団長にカッパくん。夏合宿と違い、2度目の旅行ということで料金が高いほど前回来たメンバーは行かない可能性が高い。なので可能な限り人件費を減らすべく、イマンモに代わり僕たちがバス手配、旅館に連絡などをしなければならないのだ。しかしながら種々の料金を含めるとどうしても1人30000円を超えてしまう。どうにかならないものか。


 そんなことを相談している内、龍角散が脇道へと飛び込んでいった。後を追いながらふと思いとどまる。そちらの道は違う。厳密にはこちらからでもいけないことはないのだが、いかんせん迷いやすい。まあ、彼ならばきっと大丈夫。そんなことを思いながら、皆でこっそりと後退っていき、彼に気付かれないよう正規の道に飛び込むことに成功した。〉


〈彼を置いて進んでいき、しばらくしてようやくトキワ荘が見えてきた。先ほどはここへ着くなりすぐに哲学堂へ向かって出発したために、どっかりと腰を落ち着けて辺りを見渡したりといったことをしなかった。


 トキワ荘公園の遊具、案内板、公衆電話、トイレ!先ほど後を追ってやって来た龍角散と合流し、あちこちを真新しいものをみるようにじっくりと観察する。〉


遊具でしばらく遊んでいると、時間が来た。トキワ荘の見学に、入る。赤塚不二夫や石ノ森章太郎の部屋を覗いたりしてまわるが、いかんせん建物一棟分の広さしかない。つまり狭い。あっという間に周り終えてしまった後は鬼ごっこのようなものをしたりと皆自由奔放に1階と2階を行き来する。


〈最終的に館内に飽きた皆が外へ出て紙飛行機を投げ合ったりすることとなり、そこで思ったよりも時間を取られてしまったために「トキワ荘マンガステーション」に行くことが出来なくなってしまった。非常に残念だ。〉


〈今回はいろいろと不具合があったおかげで実に半分以上の時間を歩くことになってしまったが、もうこんなことはしたくない。歩くならせめて山を登りたい。


 次からはちゃんと予定を確認して、金も多めに持っていき、道中の退屈しのぎにもっと本を持っていこう。次回が今年最後の活動となる。いまはまだ行き先は決まっていないが、学期最後の活動はいつも遠出するものと相場が決まっているそんなところで迷ったならばもう取り返しがつかないから、次回はちゃんと目的地にたどり着けるよう努力しよう。〉

上の写真は、トキワ荘で記念品としてもらった缶バッジ。

これらの絵の缶バッジは今だけ配られているということで、なかなかレアなグッズです。


と、こんな感じで、マロ君には受難の1日だった先週の「お出かけ探検活動」。

今週の活動で、ヒルネットも2週間ほど冬休みに入ります。

ということで、次の木曜はちょっと遠出する予定。どこに出かけるか、またみんなで相談しまーす!

それではそれでは!












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