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  • 今田

お台場、科学未来館!

どうもどうも。先週のヒルネット。 先週からは、いよいよ本格的に教室での活動も開始です。 9時半に開室とともに教室にやってきた皆さん。10時ごろ、ポツポツとやってくる皆さん。 「おはよう」 「今日は何する?」 「お絵描きやりたーい」 「オイラは、ちょっと本読んどく」 「あ、俺は勉強するよ、英語やりたい」 「おら、まずはソファでのんびりパズルやってるだ」

などなど。各々がやりたいことを始めます。


12時。そろそろ公園に行きたくなってきたメンバーの皆さん。 そこでちょこっとミーティング。 「まず、今日、行きたい公園はー?」 「井の頭公園しかないやん」 「いや、その井の頭公園のどこ?」 「まだ、今日は暑いから近場がいいなあ」 「じゃあ、あのステージがあるところは?」 「それでええんちゃう?」 なんて感じで、「散歩」先の公園が決まる。次は木曜に出かけるところ。 「今週の木曜、どこ行く?」 「天気はどんな感じ?」 「あー、予報では雨降る可能性もあるなあ」(後に天気予報は変わりました)

「じゃあ、屋内の施設か」

そこで最近、メンバーに加わったコトリンが一言。 「あたし、科学未来館に行きたいなー!」

「ああ、それでええんちゃう?」 「せやな。1発目のお出かけやし、あんまりハードじゃないところがええなあ」 「OK。異論のある人いないー?」

ってな感じで、木曜のお出かけ先も決定。時間は12時30分過ぎ。 皆でのんびりと公園に向かいます。

でも、今週は水曜まで、まだ暑かったね!

外で活動するのはギリギリって感じ。まあ8月までの暑さに比べりゃ全然マシだが、それでも結構、体力が削られる。 そして、何より、蚊。

真夏は蚊すら暑さでへばっていたんだろうか。ほとんど見かけなかった蚊の大群。 それが晩夏のこの季節。猛然と勢いを取り戻した彼らが、ヒルネットメンバーを襲う!!

短パン半袖姿の者は、下手すると70箇所近くも刺されるという大惨事。 結局、公園では1時間ほど活動した後、教室に戻ることに。。。。


そして、教室では「人狼」大会。 夏休み前から、流行していた、このカードゲーム。 10人ぐらいでやると1ゲームがめっちゃ長くなります。。

でも、皆さんめっさ楽しんでました。


さてさて。 そして木曜日。お出かけ探検活動。行き先は、上で述べた通り、日本未来科学館。 で、ここからは、我らヒルネッターが誇る専属記者、マロ君にご登場いただきましょう! この夏休み、さる合宿活動で茄子を食べまくったことから、「与一」などというあだ名を拝命したマロ君。 さらには以下の記事にある通り、将棋の勝負で二歩を差しまくってしまったことから、「ニフの与一」などという不名誉極まりない称号までいただいてしまったマロ君。 今回は、そんなニフの与一ことマロ君の久しぶりの活動記録ということで、文章多め、写真少なめで木曜の活動を振り返って参りたいと思います(写真をいろいろ撮り忘れたということでは断じてない)。


では、マロ君、宜しくお願いします! 〈僕の通っているフリースクール・ヒルネットにて、秋冬学期が始まった。学校式に言うならば二学期。冬休みまで続く。今回は新しく参加したメンバーの希望を容れて「日本科学未来館」へと向かった。

 どうも記憶にないのだが、母曰く僕は一度ここへ来たことがあるらしい。それも小学校へ入ってからということ。あいにくと学校でいったのか母に連れられたのか肝心の記憶がぬけている。

 集合は新橋駅。科学未来館へ行くことだけを考えればもっといい集合場所があるのだが、我等ヒルネットメンバーには生半可な常識など通用しない。下手をすれば1,2時間の遅れなどざらにあるといわれても信じてしまいそうなほどだ。

 よって、集合は交通の便が良く「ゆりかもめ」にて目的地付近にあるテレコムセンター駅にも向かうことの出来る駅、新橋駅に集合が決まった。ただし、集合時間はいつもより少し早い10時。そうしておかなければ科学未来館への滞在自体が危ぶまれてしまう。龍角散・Χαοσらはきっと海を求めているにちがいないからだ。時間が少なければ彼らは必ず「滞在1時間なんて意味ないぜ!」「そんなことするならうみいこうよ」「そだよ、さっさと行こうよ」などと言ってくるに違いないのだ。だから、集合は早い。遅れないようにしないと。

 等と思っている最中。珍しく新宿駅にて道を間違えてしまって右往左往している僕がいた。新宿駅でJR線乗り場にて不覚にも迷子になってしまったのだ。いつもはそもそも電車を用いない。使うときはフリースクール関係の所へ行くときと、近所の図書館へ行くときぐらいだ。それに、いまは夏休み明け。しばらく使用していなかった新宿駅にて迷ってしまうという事態を引き起こした。

 結局目的としていた電車を逃してしまい、次のものを調べてみればJR中央線快速。これに乗らなければ予定集合時刻に間に合わない。そうなってしまえば絶対に置いて行かれ、ニフがまたしても行方不明!などと言われてしまうに違いない。

(「ニフ」とは、Χαοσと先日将棋をした際、2度も二歩を行ってしまった結果付いたあだ名である。幸い対戦していた彼は一度目の二歩の時は気がつかなかった。そのためいつ気付かれるかと戦々恐々としていたのが悪かったのか、またしても二歩を行ってしまい、今度こそそれが気取られて反則負けとなってしまったことから、皆から僕に付けられた綽名である。因みにこの時、Χαοσがそれに気がつかなければあと4手ほどで僕は彼に勝てていた。非常に残念だ。

 こうなっては、誰かが二歩を「3回以上」行って僕の記録を更新。その上でその誰かにこの不名誉な称号を譲渡しない限り、この綽名は僕に付けられたままだろう。もっとも、誰かにこの称号を譲渡できたとしても「(ニフ)一代目!」「(〃)二代目!」などとからかわれることであろう)。

 中央線が遅延していればその時点で遅刻が確定してしまうが、幸いなことに今は平常運転。久々のラッシュアワーで酔いそうになったがなんとか四谷御茶ノ水と耐えて耐えて神田まで持ちこたえてみせた。

 そこから先は時間によって乗る電車を変えるつもりだったが、幸い神田では京浜東北線と山手線はほとんど通る駅が同じためホームが一緒になっていた。当然、どちらからでも新橋には辿り着く。

 そうして到着したのは29分。ほんとうにギリギリだ。急いで改札口をぬけようとしたとき、声が聞こえてきた。

「おーい、ニフ!」「おーい!ニフの与一」

その声に辺りの通行人が眉を微かにひそめるのがわかった。まずい。その原因が僕だとわかってしまえばかなりな人がこちらを睨みつけてくる。それを平然と受け流せる勇気は僕には無い。無視しようそう思い、あえて呼びかけてくるΧαοσらには目を向けず、彼らのいるところを大幅に迂回しつつイマンモの方へと向かおうと進路を変える。

 未だに叫び続ける彼らから少しずつ離れ始めているはずなのに、呼び声はちっとも遠ざからない。否。むしろ近づいてくる。どんどん近づいてくる。まずい!とっさに背後を振り返ると、彼らがこちらへ走り寄ってきていた。

 ここで彼らに捕まってしまっては、周囲にいる人から視線を向けられてしまい、針のむしろに座ったかのような心地になってしまうだろう。端から見れば非常に不自然だったろうが、そんなことを考える余裕もなく、なるべく自然に見えるように走り出した。

 彼らとの差はすぐにひらくかと思われたが、そもそも荷物を持っていない彼らと荷物の中に本を数冊(京極夏彦「ヒトごろし 下巻」谷崎潤一郎「春琴抄」「蓼喰う虫」「卍」「陰翳礼賛・文章読本」ラヴクラフト「クトゥルフの呼び声」)を入れ、さらに弁当ノート水筒折りたたみ傘硬貨入れ教科書筆箱といろいろと収まっているバッグとを合わせればそれなりの重量にはなる僕と。

 当然、その状態で僕よりも足の速いカッパくんらの追撃を振り切ることの出来るはずもなし。あと一歩。あと一歩でイマンモ達の下へと到達し、彼らを盾として振り切ることの出来るところへ来て。とうとう捕まった。

 辺りからの視線が痛い。こそこそと皆の影に隠れようとするが、皆は先手を打って僕から遠ざかって行ってしまう。

 そんな針のむしろにじっと座ること10数分。ようやっとパイセンがやって来た。感覚では1時間にも2時間にもなりそうな時間待ち続けた僕は喜び勇んでその影に隠れる。龍角散、Χαοσ、カッパくんはいつもにも増して元気であたらこたらを走り回っているが、もう僕はそれには参加しない。いつもであれば興味を持って見に行っていたかも知れないが、もう奥多摩合宿にて「無敵」の奇行をさんざん見てきた僕にとってはこの程度は屁でもない。〉



〈「ゆりかもめ」に乗って10分ばかし。発車の際思ったよりも乗客が多く、列の最後尾にいた龍角散はあわや閉め出されかけた。そうなったらそうなったで面白いので別に良いのだが―そしておそらく彼はうんと時間をかけて駆けつけてきてなにかしらのトラブルを引き起こすだろう―残念なことに彼は自分のいる位置からは入れないと直観的に判断。空いているところを一瞬にして把握し扉が閉まる直前、僕の目の前のドアに飛び込んできた。

 ああ、怖かった。いきなり憤怒の形相で飛び込んできた彼を見た時思わず1歩後退ってしまったが、幸い彼は怒っていたわけでもなくただ慌てていただけだ。emmanmoに座席の最後の1個をとられたのを見てなにやらもの悲しい目をしていたが、それになにをいうのでもなく皆の入る方へと歩いて行った。〉


〈目的地付近の駅で降りる。てっきり歩いて10分はかかると思ったのだが、すぐに館が見えるところまで着いてしまった。入場料は子ども300円ほど。それぞれ払うものだと思い、1000円札を取り出したのだがどうやら団体割引が使える模様。結局中学生は160円に軽減され、レイセンが全員分集めた後受付に持って行くことになった。トコロガ。レイセンに1000円札を差し出すと、意外にも「釣り銭がない」と言われた。ならば皆から徴収すれば良いだろうとなるのだが、それらの金額全てを合わせても釣り銭合計840円には足りないという。だいたい5人分。これだけなら払える気がするのだが、問題は1000円札を黙って差し出しているのが僕を含めて3人いることだ。

 合わせて2520円。それだけの金額は財布の中にないという。さて困った。館内へ入れない。そんなことを考えていると、見かねたのか館員の1人が声をかけてくれた。どうやら館内に両替機が存在するという。それを聞き、急いでそちらへ向かう。

 玄関口を突破して館内へ入ると、左手側に「両替・ロッカー」の文字が。左折して入るとたしかに1台設置されている。けれども残念なことに1000円札、500円玉を100円玉に替えることしかできない。だが、3人で200円を差し出せば600円。差額は120円、おそらくそれぐらいはあるだろう。ならば問題は無い。急いで両替を済ませ、出てきた貨幣を引っ摑んで外へと駆け出る。

 そうして悶着はあったもののレイセンに10円分借りを作って入場券を購入した。館内へとまっすぐ入り3階へ。こちらから見て回るのが定石のようだが、Χαοσ・カッパくん・龍角散はそれを無視してまっすぐ上階へ上がってゆく。

 規則があるわけでもなし。本当であれば僕も彼らについてゆきたかったが、上手くタイミングをとれなかったために断念することになった。〉


〈中に入ってみて気がつく。ここへは、前にも来たことがある。たしか1階のスクリーンに映し出された相撲取りのような映像を見て怖くなり、館の外へと逃げだそうとしていた。

 僕は「怖い」と思って逃げ出すことはそこそこあったようだが、ほかに記憶に残っているのは保育園児だったとき、近所の小学生達の有志が作成したお化け屋敷に保育園ごと招待された。本当は僕が最初に入るはずだったが直前で怖くなり、順番を後へ後へと回した挙げ句一歩踏み込んだだけでパニックに成りそこから逃走、1人少し離れた部屋のすみっこで膝を抱えて震えていた―もしかすると泣いていた―という記憶が今でも鮮明に思い出せる。

 そんなことを頭の片隅に浮かべながら館内を見て回る。少し前に行った科学技術館とは違い、「科学未来館」とあるからにはやはり「未来」に関した内容が多い。未来になにが待っているかをシミュレーションするコーナー、言論の自由、言語の多様性などが守られているかを考えるコーナー。〉


〈なにか、大きな展示がある。そう思って皆と一緒に柵をくぐり抜けてそこへ突入する。途中カッパくんはどこかへ行ってしまったが、トラ、龍角散・Χαοσたちは未だ前にいる。彼らはそのまま別れて黒い幕の中へと突入していった。1拍遅れて僕もΧαοσ、龍角散が入っていた垂れ幕の中へと飛び込む。そして気がついた。中には椅子が置いてあるが、それは2つだけ。僕が座る場所は、ない。慌てた僕は外へ出て、思い出した。

 トラは1人で展示に入っていった。ならそこの席は1つ空いているはずだ。そう思って彼が入ったであろう場所の垂れ幕をくぐり抜けると、そこには予想通りに先客がいた。まったく知らない顔の男性が1人、驚いたようにこちらを見た。

しまった!

 トラを探して入った矢先で見も知らぬ人と一緒になるとは思ってもみなかった。しかも、今回は完全に僕が悪い。中をこっそりと確認もせずに飛び込んだのは僕の失敗だからだ。

 ここで一言「すみません、まちがえました」と言って出ればよいものを、このときの僕は何を思ったか。

 目の前で未だに呆然としている男性に向かってぺこりと会釈をし、流れるようにその隣の、空いている席に座り込んだ。

―なにを、やっているんだ―今から思えば、そこに飛び込んでその時の自分を引きずり出し、物陰にて叱りつけたい。

 結局僕はそのまま、見知らぬ男性と相部屋になって「腎臓移植とiPS細胞」についてのビデオを見た。これが全体で言えば一番興味深い内容のように思えたのだが、隣に座っている男性の方へと意識が集中していたため、内容について深く考えることが出来なかった。

 その彼は、ビデオが終わった後も僕のことを睨みつけるわけでもなく叱りつけるわけでもなく、黙って出口の方へと歩んでいった。あまりに常軌を逸した―別に常識などどうだっていいが―行動であり、「普通」でないことを誇りとする「フリースクール」にいる僕も―もちろん普通でなければならないわけではない―さすがに自責の念に駆られ、彼の視線から逃げるようにして映像後の資料室を抜け出た。

 そのことを外にいた龍角散・トラ・emmanmoなどに話すと、皆一斉に笑い出す。何故出てこなかった。何でお前そこで「あ、すみません。間違えました」と言わなかった。そもそもなんで会釈しながら中に入ったのだ。などと言われる始末。

 けれども君たちなら……と言いかけるも、その続きは口には出来なかった。彼らならば、

「あ、すんませーん。おい、Χαοσ!どこいるの」

「あ、すいません。失礼しました」

「おい、りゅ……え?あ、すいません。間違えちゃって」

などと言って、たちまちにそこから逃れ出ることは必至だからだ。

 しかも、だ。よくよく見れば各部屋には「空室」「満室 人がいます」などが出ているのだ。これは完全に僕が悪い。そもそも彼らならばどれだけ急いでいてもこの表示を見逃すことはないだろう。

 その後、出来ればもう少し時間をかけて4階を見て回りたかったのだが、先ほどの男性が資料室から出てきたために計画は頓挫。その視線から隠れつつ3階に降り、そこでもやることがないためにいよいよ1階まで降りてしまう。〉


〈やる事がついになくなったかと思ったが、そこで見つけたのが件の地球儀こと「ジオ・コスモス」。1階の歯医者にあるような椅子に横たわり、天井を見ながら黄昏れたり「春琴抄」を読んだりしていると、いつの間にか人が増えている。来たばかりの時はヨッシー、トラ、龍角散、Χαοσ、カッパくんだけだったのがいつのまにかメンバー全員の集合だ。龍角散が衆人環視のもとΧαοσ、カッパくんと部屋の中央で鬼ごっこをやり始めて職員に叱責―厳重注意―されているのをただただ見ていると、いつのまにか時間は12時の一歩手前。

   昼食を摂るために予めイマンモが「多目的室‘A’」を予約してくれているというので、時間より少し早いが下見に出かける事に。あちらこちらを彷徨いながら着いてみるとそこには「多目的室A フリースクール○◆✕◉△■様12:00~12:30」と、張り紙のあるなかなか大きい扉。中を見てみたいと思い、何人かで扉を必死に押すも開かない。おそらく12時に来なければならないのだろう。残念だ。あと10分そこらで時間を潰すしかない。名残惜しげに取っ手を掴んで押すも開かない。仕方がない。後ろを向いて進むと何故か扉が開いた。引き戸だった。

 中はなかなか広くスピーカー、テレビなどが備わっていて長机が10数基。ここはいい。少し早めに入ったため時間は後40分。ここでゆっくりとしていけば良い。にも関わらずイマンモ達は荷物を置いて早々に部屋を出て行った。

 つい先ほどから、emmanmoが強硬に「私はシアターに行くんだ!」と主張。「映像見に行くぞ!」と皆を叱咤激励して、何人かがそれに乗っかったためである。メンバーの内半数近くがそちらへ流れ、残った皆は黙々と食事。〉


〈そのうち龍角散がふと「コオロギって、美味いのかねえ」と口にした。僕は元から蜂の子すら食べない以上、なにか口にしたならば今後「ニフは美味いって言ってたよな、ちょっと食べてくれ」「お前不味いって言ってたけど、意外と美味いぞ。食べてみろ」などと言われる事はわかりきっている。沈黙を貫き、弁当を食べ終えた頃。トラと龍角散が自動販売機に行くといって姿を消した。  けれども龍角散が本当に自動販売機に行ったのだろうか。時間が経っても彼は姿を見せない。おかしい。実は彼はこっそりどこかへ行ったのではないか。けれどもその疑問はすぐに氷解した。僕たちのいる多目的室Aの壁の内一つはガラス張り。そこから外にある自動販売機に龍角散・トラがいる事が確認できたのだ。

 彼らはいったい何をやっているのだろうか。不審に思った僕はチー君とこっそり彼らを尾行してみる事にした。けれども、彼らは油断も隙もない。彼らに見つかってしまうため、そこまで近づく事が出来ないのだ。そのため何度も何度も多目的室に戻り、その度に彼らの行動を見て再度出撃してゆく。  そのうちトラは帰ってきたが龍角散だけはいつまでたっても帰ってこない。あちこち探してみると彼は意外にも売店に立ち寄っている事が判明した。  何故、売店に。そう思ったとき不意に先ほどの会話が脳内に蘇ってきた。「コオロギって、美味いのかねえ」ここは日本科学未来館。今後必須とも言われている昆虫食ぐらい売っているだろう。  果たして彼はコオロギを買ってきた。一袋500円と言うが小さい袋にびっしりと詰まっている。意気揚々と彼はそれを一つ口にして、 「ごめん、これ苦手だ」と言ってそれっきり口にしない。そしてやはりと言うべきか僕にお鉢が回ってきた。「ニフ。これ喰え。」と。  正直言えば、喰いたくない。でも喰わねば始まらない。喰わなければネタにならない。喰うしかない。意を決して口にしてみると、意外にも旨味が口の中に広がった。どことなくカレーのような味で少し辛い。  美味かったのだが、幾つも喰いたいと思うものではなかった。けれども。あたりを見渡す。皆が僕の方を見ている。ここで「美味かったけど1つで十分だ」などと言ってしまえば、彼らはきっと「なんだ、美味くないんならそう言え」などと言って結局龍角散が全てを消費しなければならなくなる。それなら。  「美味い!もう一つくれ」そう言って僕は手を伸ばした。そこまで食いたいものではないが、こうしなければきっと誰も食べようとしない。はたして。彼らは僕が躊躇いもなく2つめを口に放り込んだのを見て一斉に龍角散に詰め寄った。たちまちにして彼の袋からコオロギが消えてゆく。1コ2コ3コ……それでもコオロギはなくならない。  結局僕は8コも食べるはめになった。これでは2個目を食べようとしない方が良かったかも知れない。そののちシアターより帰還してきたemmanmo、Χαοσにもコオロギは振る舞われた。とても居残りグループだけで消費できる量ではなかったからである。〉

〈さて。彼らが合流してきてから漸く僕たちは館を出た。龍角散が執拗に言っていた「海へ行く」約束を守るためである。道中彼らとドングリの投げ合いから、あわや喧嘩に発展しかけたのだが無事落着。ユニコーンガンダムの像を見て海の方へ歩くと、そこには何故か自由の女神が。一瞬ここはアメリカ大使館のすぐ側にあるのかとも思ったがそんなはずもない。何故こんなところにあるのだろう。〉




そうしてお台場海浜公園に着くと龍角散が一気に駆けてゆく。聞くとこの場所は、今はベトナムにいる京秋がかつて飛び込んだ当フリースクールの中ではいまや‘伝説と化した場所’なのだ。そして彼も伝説に習い、着替えを持ってきている。「遊泳禁止」と書かれた看板には目もとめずに飛び込んだ。

(いや、飛び込んだらあかーん!何やっとんのんじゃーいい💢 というスタッフの声も届かず、というかスタッフが現着するより先に「一気に駆けて」いってしまった龍角散。。。。 他の良い子のヒルネッターは絶対真似しないでね! ちなみに一昨年? 京秋が「落ちた」のはわざとじゃねーから)

〈皆の必死の「戻れ」コールにさしもの彼も異論はとくに唱えずこちらへ戻ってくる。そして岩場に再上陸した彼を見て皆再びアッと驚いた。  全身切り傷だらけなのだ。右上腕、左手手首、左脚。おまけに右の足にはなにかの爪で切られたように平行な直線が4本。そこから血が滲み出ているのが見えた。〉 (こんなふうに「遊泳禁止」にはそれなりの理由があるのだから、「無茶」をするのがヒルネッターとはいえ、「無茶苦茶」をするんじゃあないぜ!) 〈「水場はないのか」と辺りを探し回るも、ここは遊泳禁止地区。京秋の時もそうだったようだが、あるところはかなり離れている。幸い自動販売機が近くにあったために水を買って傷口周辺だけでも洗い流してはと提案したのだが、それはあえなく却下された。

 そうして彼はemmanmo、カッパくんに付き添われて長い長い旅路へと出発した。実距離は僅か250メートル。しかし彼の矜持なのか岩場を歩き、足を引きずっていてはそんなに早くいけるはずがない。よって、足を洗いに行く彼を華々しく送り出して数分後。ふと振り返ってみると、未だに彼は顔が判別できる距離をのろのろと歩いている。

 そんな憐れを催す体になった彼だが、彼はあくまで自発的に入ったのだ。偶発的に入りかけたメンバーも1人、いる。その彼は僕の目の前を歩いていた。そうしてしばらく岩場を歩いていたとき、彼は足を滑らせた。岩と岩の間にあるかなり広い潮だまりに転落した彼、シャコは幸いにして右足を濡らしただけだった。けれどもその衝撃で右の靴が脱げてしまっていたため、僕はそれを回収しようと動いた。そのとき、彼が落ちた事によって濡れた岩場に足を滑らせ、頭から潮だまりに転落しかけた。幸いにしてそれは回避できたが、シャコの靴はなかまでびっしょりと海水に浸っていた。〉

〈それ以降、元気を取り戻した龍角散が戻ってきたもののその後の具合がどうなったかはさだかではない。金曜日の活動が台風の接近によって満場一致で中止となったためである。これがもし1日ずれていたら大変だったであろうが、あの日は幸いにして雨は降らなかった。あの天気でなくても彼は飛び込みを敢行しただろう。本当にあの天気で良かった。〉


と、こんな感じの1週間。 今週はそろそろ涼しくなりそうかな? 今週はあんまり「無茶」をしないで、楽しく活動したいと思いますん!


それでは、それでは!


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