どうもどうも。先週のヒルネット。
先週の金曜は、けっこう久しぶりに山登り。ハイキング。
なかなか秋の気配が訪れず、9月はもちろん10月を過ぎても、暑させいか天気予報もすぐに雨マークがつく。それゆえ、「雨の中のハイキングはねえ……」という気持ちから、計画を建てられずにいたのでした。
しかししかし。
さすがに11月も中旬になって、シビレを切らし始めた一部メンバー。
「天気が雨とか、なんぼのもんじやーい! 雨だろうが嵐だろうが雹が降ろうが蛙が降ろうが関係あれへん! ワシらは断固として秋のお出かけ計画を断行する!」
そんな声がミーティング時に響き渡った。
結果、予報では若干雨が降りそうだったんですが、これを無視。
御岳山ハイキングが敢行されることになりました。
が。
これが大正解。
めっちゃ良い感じの山登りになりましたよーー!
結局、雨は小雨さえ降らず。足元もそこまで濡れていない。
しかし、山中は霧が立ちこめ、まさしく雲のなかを歩むが如し。
既に紅葉も始まっておりに、霧に霞むなかで紅く黄色く山中の景色が朧に映えるのは、とっても幻想的。素晴らしい!
あたかも一葉の写真のなかに入りこんだかのような気持ちになりましたよ。
と、そんなサイコーだった御岳山ハイキングの様子を、今回もマロ殿が振り返ってくれました。
いろいろ忙しいのにありがとうマロ!
それては、マロ殿、よろしくお願いいたします!
〈今回の行き先は奥多摩。皆が待ち望んでいた「御岳山」へと行くこととなったのだ。皆、喜び勇んでこの日を迎えた。しかしながら、なかなか御岳山へは到着しない。よって、ここからしばらくは「前振り」が続いてゆく。別に読まずともよいのだが、今回の計画が完全に破綻した原因として、一読する価値はあるかもしれない。以下、いささか長い「前振り」。
この日、満場一致で決定した行き先は「武蔵御嶽神社」。年少メンバーが多数来ると予想されていたため、山の麓、御嶽登山鉄道の滝本駅から歩いて頂上まで向かい、昼食。午後になって武蔵御嶽神社へと行き、ケーブルカーで下山する、そういうスケジュールになっていた。この予定は、一つ一つ積み重なった「不調」により、当日芋づる式に崩壊していくこととなる。〉
〈その主な原因は、二つほど。まず第一に、御岳山登山を頑強に主張し続けていたオクラというメンバーには、この事前計画が伝わっていなかったことだ。彼は、この最終決定がなされた時には教室へと来ておらず、当日に至るまで本格的な登山をすると思っていたのだという。
彼や、彼を代表とした御岳山登山案の急先鋒、そしてそれらに押し流されてしまい、「どちらでもいい」と言った残りのメンバーたちによって、予定は改変されようとしていた。このことについての反対意見は、ない。かくいう僕も、御岳山登山に賛成していた者の一人であった。おそらく周りからは、この「登山案」の急先鋒と目されていたであろう。
(イマンモ注:マロも賛成しとったんかーい! まあ、このメンバー、オクラハマ義男の強硬意見がなかったら「安易なルート」を選んでいたかもしれぬと考えると、結果的にはナイスアシストであった……)
さて。ここで第二の問題が持ち上がってきた。それは、当日参加予定のスタッフ一名との合流が失敗したこと。僕やソース、イマンモなどは10時11分青梅着の電車でやって来て、14分発奥多摩行きの電車に乗り込んだ。そのスタッフ(慮ってあだ名は非公開)はそのとき、この電車には乗っていたのだ。しかしながら、なんらかのアクシデントによってか乗り継ぎに失敗、そのことを僕たちは走り出した電車の中で、初めて知った。
この時点で、スタッフは二人となる。この時点では、このスタッフを待たないという選択肢はありえないものであった。よって、僕たちが山頂まで歩いている間、遅れてやって来たそのスタッフがケーブルカーを用いて山頂に先回り。山頂で合流するという案が新たに組みなおされた。そのスタッフを待つという案は、ない。すでに僕たちは、御岳山行きのバスの中。ケーブルカーの駅に着くまで、止まることはない。〉
〈しかしながら、そこで反対意見が首をもたげてきた。いっそのことそのスタッフは置き去りにし、我々はケーブルカーにて山頂へ向かう。そうしてロックガーデン、天狗の腰掛杉などを巡ってケーブルカー駅まで戻るという、いつも通りのルートであった。
もちろん、最初はこの案、すげなく却下される。年少メンバーを有し、スタッフが二名しかいない状況で山登りなど、愚の骨頂と思われたためであった。しかしながら、しばらくすると見方が変わってくる。年少メンバーがいるとはいっても、一名だけ。スタッフがいないとはいっても、準スタッフ枠として行動できる高校生メンバーが、幾人もいる。この状況であれば、山登りをしても問題はないだろうと、決定した。して、しまった。
(まあ、実際あと一人でも年少メンバーがいれば、案は通らなかったと思います。当日は予報のせいもあって参加者が少なめ。そのために「強硬策」を取れたのだと思いますね。
……ただ、スタッフには申し訳ないことをしました。すみません……)
〈そんなわけで、青梅駅で次の電車を待っていたスタッフの下へ、謝罪のメールが飛んでいく。電車賃を渡し、そのまま帰ってもらうことになる。そうして、僕たちの乗ったバスはケーブルカーの「滝本駅」に到着。そうして血気盛んなメンバーたちは往復分のチケットを購入、臨時列車(列車と言ってよいのであろうか)として仕立てられたケーブルカーに乗って、11時10分ごろ、予定よりも随分と早く、山頂へと到着した。
山の中腹は、濃霧に覆われていた。山頂からは普段、麓の町が見下ろせる。それが、見えない。濃い霧に覆われて、あたり一面、真っ白な雲の中にいるかのよう。〉
〈このことは、山道を歩きだしてすぐ、より強く実感された。数メートル先の景色が、霧によって薄く包まれてしまっている。十メートルも離れれば、人の顔が判別できないほどだ。〉
〈霧の中聳え立つ木々や、鮮やかな色の紅葉がとても幻想的だ。〉
〈山の下の方を見下ろしても、本来ならば見えるはずの景色は見えない。すべて、霧に埋没してしまっている。〉
〈霧に包まれた道を行く僕たちの前に、不意に民家が姿を現す。霧の中から現れ出でたその姿は夢か現か。
その中へと足を進めれば、あたりの霧は不意に晴れた。だが、完全には晴れていない。未だに辺りに、纏わりついている。この家々は本当に存在しているのだろうか。そう言った疑問が、脳裏をよぎる。〉
〈その中を抜けていく。昨年まで使っていた道は、使用不能。やむなく使ったこともない、急な坂道を進んで行く。今はまだいいが、帰りが怖い。もし天候が雨に転じた場合、転倒する公算大。細心の注意を払う必要がありそうだ。
幸いにして行きは何事もなく。無事、武蔵御嶽神社へと、到着した。ここも霧に、覆われていた。鳥居の向こうにあるはずの随身門は霧にかすみ、その奥は霧の中に没している。鳥居をくぐり、中途まで進んで振り向けば、早くも皆の顔は霧に隠された。とても、幻想的な光景が目の前に広がっていた。〉
〈 随身門をくぐり、途中で左へと曲がる。ついに地面の舗装が無くなった。あちらは泥濘、こちらは木の根。足元に注意を配りつつ、進んで行く。思ったよりも速度は遅い。ちょうどいい。いまのうちに辺りの景色を、じっくりと見ておこう。
長尾平の辺りで、一時小休止。長く伸びてしまった列を再編し、再び出発。特に大きな出来事もなく天狗岩、次いでロックガーデンへと到着した。ここで、再度の休止と共に昼食を摂る。〉
〈この日の本番は、ここから始まったといっても良いだろう。川をさかのぼって、綾広の滝まで一丸となって行動、到着。ここまでは、万事順調だった。そうして、奥之院方面へと歩き出してしばらくしたころ。僕やハヌマーンなど、中高生メンバーで構成されたグループ四名程が、遅れはじめた。立ち止まって辺りの写真を撮っていたことが原因なのだが、このためあっという間に先頭グループとの差が開き、やがてその姿は霧に没した。それだけではなく、やがて声も聞こえなくなってくる。〉
〈もしもこれが年少メンバーを大いに含むグループならば相当に危険であっただろうが、今回のグループはいちおう全員が年長メンバーに分類される。危険は限りなく低い。とはいえ、一人だけで山道を歩くのは危険であるから、決して逸れないように細心の注意を払って進む。それによって、自然と一番足の遅い面子に合わせて動くようになる。皆歩幅は等しいが、写真を撮るために立ち止まる者がいる。そのたびに立ち止まる。先頭グループの声すらも、聞こえなくなった。
とはいえ、悲観していたわけではない。皆、この想定外の状況に心躍らせていた。こんな幻想的な光景を、都会のものが見ることはめったにない。辺りを見渡し、空気を胸いっぱいに吸い込む。ずっと、この土地に暮らしていたい。そう言った気持ちが沸き起こってくる。〉
〈ふと、誰かが言い出した。この霧の中、奥深くに人がいたとしても、それが誰かわからないこの状況、まるでホラー映画のようではないかと。実際、五メートルほど離れたところに背を向けて立ってもらえば、それが誰だかわからない。人の形をした影があることしか見えない状況。
このときには僕たちは、六名になっていた。途中で一度メンバー全員が集合したのち、同じ目的を持ってか同行していたメンバー二名が、増えたのだ。彼らがあまりに遅いため、前方偵察と称し僕たちは少し先行して様子を見ることになった。後方にいるメンバー四名の姿は、既に霧の中に没してしまった。声が聞こえるだけである。これはいけないと、その場で立ち止まり、霧の中から今にも現れ出でそうな怪異のはなしをしていると、ようやく残りの四名が追い付いてきた。来るなりこちらを見て、悲鳴を上げる。
何かと思い振りむけば、いつの間にやらレイセンが木々の影からこちらを見ている。いつからいたかと驚き聞けば、少し前から居たそうな。遅れた我々を探してか、先ほどもずっとここにいたのだという。僕たちがここへ来た時から。そんなわけで新たに一名が加わって、先行している皆を追う。
しかしてまたもや皆が遅れる。今度は五名が後を歩き、先を行くのは二人だけ。そんななかでレイセンが、前から皆の声がする、そう言いおいて霧の中へと姿を消した。
仕方がないので皆を待ち、後から来た彼らと合流して再び前へと足を進める。そんな中でふと思った。この状況を皆の言うようにホラー映画に見立てれば、姿を消したレイセンは、おそらく合流を果たせないことだろう。霧の中で彷徨って、脱出したころにはもう老人。そういったことを話しあい、再び前へと進んで行く。
〈霧の中をひたすら進むと、あるときついに、先を行っていた皆の姿が見えてきた。辺りを見渡せば、そこは来た時にも通った長尾平。開けた場所であるからか、心なしか霧も散り、前から来る人の顔も判別できる。〉
〈ここから先は、戻るだけだ。来た道を辿ってしばらく進み、左側に見えてきた急坂を登る。そうして気が付けば、目の前には御嶽神社の本殿が、赤い社殿をこちらに見せている。もう、霧は晴れているのか、社殿の周りには明るい空間が広がっている。〉
〈参拝し、しばらくこの気持ちの良い空間に留まるが、そのうちとあるメンバーの下山時刻が迫ってきた。「カッパ」の名を冠する彼は、5時に新宿付近に到着していなければならない、そういう予定が入っている。このままでは昨年に引き続き「ヒッチハイク」を決行しなければ間に合わぬ時間になってしまう(昨年2月、とある遠方から参加していたメンバーのため、スタッフの「ハラッパラッパ」が彼と共に御嶽駅までのヒッチハイクを敢行した。もしもこれが失敗すれば、彼は飛行機に乗ることができず、家に帰ることができなかった。このことは痛烈な反省ごととして、下山時刻への直接の遅延に繋がった登山好きメンバーたちの心に残り続けていることだろう)。
いそいで、下山に入る。再び、家々の立ち並ぶ通りを過ぎると、その先には行きよりもはるかに濃くなった霧が立ちはだかっていた。そのなかに突入したメンバーたちの姿は、すぐに霧に没していった。
〈そうして、「武蔵御嶽神社参道」と書かれた門をくぐった途端、あたりの霧が無くなった。振り返ってみれば、背後には未だに濃い霧が漂っている。参道よりもこちら側には、霧は存在していない。幽世・常世から一気に現世へと戻ったような感覚である。空は、すっかり青く晴れている。対岸の山が雲に覆われている姿も、とても印象に残るものであった。〉
〈さて。はなしはここでおわり。カッパくんも無事予定通りのケーブルカーで下山に成功した。めでたしめでたし。と、なることはなかった。
その後に来たケーブルカーで下山し、バスを待っていた僕たちは、ふと重要なことに気が付いた。バスが来るまで、あと30分ほど。そして、この場所から御嶽駅までは、なんと徒歩30分ほどでたどり着けてしまうのだという。このはなしに、電車賃を節約したいメンバーや、まだまだ歩き足りないというメンバーが呼応、年長メンバー8名で、徒歩での下山を実行に移すことになった。うち何名かは、「バスに勝つ」という目標を抱えて。
結論から言おう。勝つことはできなかった。道に迷った挙句に隊列は三々五々。慌てて再編しようとしていたとき、背後から近づく何者かの影。振り返ってみれば、「御嶽駅行き」とあるバスが、こちらへ向かってきている。車内には、こちらを指さして笑い転げているメンバーたちの姿が、見えたそうな……
メンバーの再編を終え、這う這うの体で御嶽駅に到着した時、皆が待ってくれていたのはありがたいものだった。
最後に、霧の暗い御岳山の写真。
〈ゆうに体長30㎝はあるかと思われる、大ミミズ。もしもこれで、背中に植物が生えていれば、誰が見ようとも立派な山のヌシであった。〉
と、こんな感じであった霧の御岳山。
まさしく体験したものにしかわからない、幻想的な山登りとなりましたよ!
今週はもう一つの秋の恒例探検に出かける予定。
すなわち「昭和記念公園で紅葉を楽しむ会」。
こっちも素晴らしい景色が見られると良いな。
てな感じで、今週も楽しく活動する予定!
それではそれではー!
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